タロット
|8分で読める

タロットカードの歴史:イタリア起源からスピリチュアルへの変遷

#タロット#タロットカード#歴史#スピリチュアル

タロットカードと聞くと、神秘的な占いのイメージが強いですよね。でも実は、タロットは最初から占いの道具として生まれたわけではありません。イタリアの貴族が楽しんでいたゲームが、どのようにして今のようなスピリチュアルな占いツールになったのか、その知られざる歴史をひも解いていきます。

タロットの誕生はイタリアの貴族のゲームだった

タロットカードは、1425年頃にイタリアで誕生しました。15世紀の北イタリアで、数札から成るカードに絵札が付け加えられ、貴族の優雅で知的な遊びとして「タロット・ゲーム」が生まれたのです。

当時のイタリアではキリスト教が国教であり、占いや呪術は固く禁じられていました。そのため、この頃のタロットカードは占いという呪術的な要素ではなく、純粋なカードゲームとして楽しまれていました。ルネサンス期のイタリアのエリート階級が知的な娯楽として親しんでいたという事実は、現代の神秘的なイメージとはかなり違いますよね。

ヴィスコンティ・スフォルツァ版:現存する最古のタロット

現在確認されている最古のタロットカードは、ミラノのヴィスコンティ家やスフォルツァ家のために制作された「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」です。金箔が施された豪華なカードで、一枚一枚が芸術品ともいえる精巧な出来栄えでした。

当時のタロットは印刷技術がまだ発展していなかったため、手描きで制作される高価な品でした。つまり、タロットは庶民が気軽に手にできるものではなく、富裕層だけが楽しめる贅沢な遊びだったのです。こうした背景が、タロットに独特の格式と神秘性を与えたとも言えるでしょう。

出典:タロット - Wikipediaタロットの歴史|タロットパレット

占いの道具に変わった決定的な転換点

タロットが占いの道具として認識されるようになったのは、18世紀のフランスでのことです。フランスの研究者アントワーヌ・クール・ド・ジェブランが「タロットは古代エジプト起源説」を唱え、タロットに神秘的な意味を持たせたのです。

ジェブランは1781年に出版した『原始世界』の中で、「タロットカードはエジプトの神官が作った知恵の書であり、トート神(知恵の神)の教えが込められている」と主張しました。この説は現代の研究では否定されていますが、タロットに「古代の叡智」という物語を与えた功績は大きく、占いとしてのタロットの出発点となりました。

エティヤ:史上初のタロット占い師

この説に影響を受けた人物がエティヤという占い師です。エティヤは、四大元素・占星術・数秘術を取り入れた「エジプシャンタロット」を作成し、タロット占いの基礎を築きました。彼はパリで最も有名な占い師となり、王族や貴族からも相談を受けていたと伝えられています。

エティヤが画期的だったのは、タロットカードの一枚一枚に「正位置」と「逆位置」の意味を設定したことです。この手法は現代のタロット占いでも基本的なテクニックとして受け継がれています。つまり、タロットが「ゲーム」から「占い」へと変化したのは、ある意味で後付けの解釈によるものだったのです。

出典:タロット占いとカードの歴史 1~タロットの誕生とエテイヤ

19世紀:神秘主義とタロットの融合

19世紀に入ると、タロットはフランスの神秘主義者たちによってさらに深い解釈が加えられます。

エリファス・レヴィとカバラの結合

フランスのオカルティストであるエリファス・レヴィは、タロットの大アルカナ22枚とユダヤ教の神秘主義「カバラ」のヘブライ文字22文字を対応させるという画期的なアイデアを提唱しました。この結びつきにより、タロットは単なるカードゲームの域を完全に超え、宇宙の真理を映し出す神秘的な体系として認識されるようになったのです。

黄金の夜明け団の影響

19世紀末のイギリスでは、「黄金の夜明け団(ゴールデンドーン)」という神秘主義結社がタロットの研究と実践に大きな役割を果たしました。この団体に所属していたメンバーたちが、占星術、カバラ、錬金術などの知識をタロットに組み込み、現代のタロット解釈の基盤を築いたのです。

現代タロットの基礎を作った「ウェイト版」

タロットカードの中でも特に有名なのが「ウェイト版(ライダー・ウェイト版)」です。これは、黄金の夜明け団のメンバーであったアーサー・エドワード・ウェイトが、神秘主義の解釈とフランス系の特徴を組み合わせて作った「ウェイト=スミス版タロット」です。

このデッキは、大アルカナだけでなく小アルカナのすべてのカードに絵柄が描かれているのが特徴で、初心者でもイメージから意味を読み取りやすく、現代のタロット占いの標準的なデッキとなりました。イラストを担当したのは画家のパメラ・コールマン・スミスで、彼女の直感的で象徴に満ちた絵柄が、タロットの視覚的な魅力を大きく高めました。

1909年に出版されたウェイト版タロットは、100年以上経った現在でも世界で最も売れているタロットデッキです。書店やオンラインショップで「タロットカード」を検索すると、まず目に入るのがこのデッキでしょう。

トート・タロット:もう一つの名作

ウェイト版と並んで有名なのが、アレイスター・クロウリーが制作した「トート・タロット」です。画家レディ・フリーダ・ハリスの手による美しくも幻想的なカードは、より深い神秘主義的な知識を反映しており、上級者に人気のデッキとなっています。

1970年代のニューエイジブームで再び人気に

1970年代、アメリカ西海岸から始まったニューエイジブームの中で、タロットカードは新しい価値を与えるスピリチュアルなツールとして再び脚光を浴びました。自己理解やスピリチュアルな成長のためのツールとして、タロットは世界中で広く受け入れられるようになったのです。

この時期から、タロットは「未来を予言する道具」としてだけでなく、「今の自分を見つめ直すための鏡」としても認識されるようになりました。心理学者のカール・ユングが「元型(アーキタイプ)」の概念でタロットのシンボルを解釈したことも、タロットの心理学的な価値を高めるきっかけとなりました。

現代では、数千種類ものタロットデッキが世界中で制作されており、猫がモチーフのデッキ、日本の浮世絵風のデッキ、現代アート風のデッキなど、多種多様なバリエーションが存在します。自分の感性に合ったデッキを選ぶこと自体が、タロットの楽しみの一つとなっているのです。

出典:人気のカードゲームだったタロット、なぜ占いの道具になったのか | ナショナルジオグラフィック

まとめ:タロットの歴史は解釈の歴史

タロットカードは、イタリアの貴族的な遊びとして始まり、18世紀のフランスで占いの道具として再解釈され、19世紀の神秘主義者たちによってカバラや占星術と結びつけられ、20世紀のニューエイジブームで世界中に広まりました。

600年にわたるタロットの歴史は、人々がカードに新しい意味を見出し続けてきた「解釈の歴史」でもあります。一枚のカードが語りかけてくるメッセージは、見る人によって、時代によって、文化によって異なります。それこそがタロットの魅力なのかもしれません。

もっと深くタロットの世界を知りたい、プロの占い師に自分だけのカードの意味を読み解いてほしいという方は、電話占いもおすすめです。経験豊富な占い師があなたの運命をタロットで導いてくれます。

タロットの歴史を知ると、カードの一枚一枚に込められた意味がより深く感じられるはずです。

関連記事

PR

カードの意味をプロの占い師に聞いてみませんか?

タロットの専門家が、あなたのカードの組み合わせをより深く読み解きます

無料で試してみる
広告
占いの広告